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- コリアン青年フォーラム2016メッセージ
たとえばワールドカップやオリンピックの応援の時、「日本すごい!」「日本最高!」といったいわゆる「オールジャパン」の盛り上がりに、あなたはなんとなく違和感や疎外感を感じたことはありませんか?私たちも同じ在日コリアンとして、そういった風潮に違和感を覚えています。繰り返される「オールジャパン」に素直に共感できないのは、在日コリアンとして生まれ育った背景が関係しているからだと思います。たとえば帰化していたとしても、受け継いだルーツや記憶が書き換わるわけではありません。在日コリアンは「オールジャパン」に含まれているようで含まれていないこと、またその事実を誰も気に留めていないことに、疎外感を感じずにはいられないと私たちは思います。
残念ながら、日本社会で在日コリアンの存在はまだまだ認知されていません。民族名を名乗ると「韓国から来たの?」「日本語お上手ですね」と言われ、その度に在日コリアンのことを説明した経験は一度や二度ではありません。つい気になって在日コリアンとネットで検索すると「名字」「芸能人」といった言葉や、「犯罪」「告発」といった物々しい検索ワードが出てきます。いったい何がそうさせているのでしょう?在日コリアンとは自分自身のことなのに、この検索結果を上手く言葉にして説明することが出来ない。それ以前にこんな世の中で在日コリアンだと告白すると、どう思われるか分からなくて怖い。そういった状況だと感じています。
今日では「行動する保守」と名乗る集団が市街に繰り出し、「在日コリアンは犯罪者だ」と中傷したり、「朝鮮学校は日本の土地を不法占拠している」などと罵倒する、いわゆる「ヘイトスピーチ」が後を絶ちません。政府が毅然とした態度で取り締まる姿勢もなく、「良い韓国人も 悪い韓国人も どちらも殺せ」というプラカードが表現の自由の範疇だと放置されていることが、ヘイトスピーチ問題の本質であると思います。
私たちのルーツである朝鮮半島に目を向けてみましょう。韓国の大統領と日本の首相が仲良さげに話している姿がテレビで放送されましたが、日本のメディアは冷ややかな反応でした。チャンネルを変えると日本と歴史認識で対立する韓国の姿が映し出され、何とも言えない重たい気分になってしまいます。北朝鮮に関するニュースでは、どうやらアメリカを筆頭に「核と人権問題」で対立していて、日本政府からすれば「拉致」被害者を返さない犯罪者扱いらしく、何一ついい話題が出て来ません。
歴史問題、東アジア情勢において立ち位置の不安定な在日コリアンは韓国、北朝鮮、日本、在日・・・どの立場に立って物事を考えればいいか分からず、居場所を求めてさまよう人が少なくないと感じています。
在日コリアンという朝鮮半島にルーツを持つ者として堂々と名乗り、生きることにどこか躊躇してしまう、そんな空気を今の日本社会は生み出し続けています。ふとした時に現れる政治の話や韓国・北朝鮮の話題を、笑ってごまかしているのは在日コリアンであることを悟られないためではないでしょうか?その結果、在日コリアンの多くが言いたいことも言えず、沈黙せざるを得ない状況にいると私たちは感じています。
今回私たちが開催する《コリアン青年フォーラム2016》は、在日コリアン青年として「今をどう生きるか」をテーマにしています。フォーラムを通じて私たちが感じている社会の息苦しさが何なのかを明らかにし、「在日コリアン=私たち自身」について知っていることや聞きたいことを、皆さんと語らいたいと思っています。そしてすべての在日コリアンが自らの民族性に誇りを持ち、堂々と生きていける社会を作るために何が出来るか、皆さんと共に考える場にしたいと思っています。
私たち在日コリアンは解放70年の歴史の中で何度も窮地に立たされましたが、団結することで今日まで生き抜いてきました。排外主義によって在日同胞の存在が脅かされている今だからこそ、「在日コリアンとは何なのか、在日コリアン青年としてどう生きるか」を青年同士で語らい、共に社会に意見を発信する仲間になりましょう。
ぜひご友人や親せきをお誘いの上お越しください。皆さまの積極的な参加をお待ちしています。
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