2015年7月度 情勢見解
韓国国内では、相次ぐ失政による支持率の大幅低下を受け、今まで一枚岩だった朴槿恵政権と与党・セヌリ党が、ついに分裂の様相を見せ始めている。
朴槿恵大統領が強権を発動し、セヌリ党の院内代表を追放した。恐怖によって反対勢力を退け、党と政権の団結を回復したかに見えるが、その代償は大きい。朴槿恵大統領は、行政府の長が立法府の人事に不当に介入したことによって、民主主義の基本ルールである「三権分立」を破壊し、またしても韓国の政治史に残る汚点を残した。韓国民衆は決して許さないだろうし、そのような大統領に寄り添う形になったセヌリ党も、「共倒れ」を免れることはできないだろう。来年の総選挙にむけていよいよ追い込まれることとなった。
このような状況を生み出すことが出来たのは、民衆の力強い運動の成果である。朴槿恵政権とセヌリ党の分裂のきっかけとなったのは、朴槿恵政権がセウォル号の真相調査を闇に葬ろうとして制定した「施行令」を、国会の権限で修正できるように法律を作ろうとしたためだ。いわば、民衆の力が、朴槿恵政権とセヌリ党を追い込んだのである。来年の総選挙に向けて、いまこそ民衆がさらなる力を発揮し、朴槿恵政権を追い込み、政権交代への道を切り開いていかなくてはならない。あくまで変革の主体は民衆であることを再確認し、朴槿恵政権退陣運動を推進していこう。
南北関係では、相変わらず停滞が続いているが、李姫鎬氏の8月訪朝は、関係改善のきっかけとなりうる出来事であり、私たちに勇気を与えてくれた。訪朝の直後には、光復節70周年の記念行事が予定されているが、朴槿恵政権の反統一政策により、南・北・海外が一堂に会しての共同開催は難しい現状だ。私たちは、光復70周年を平和統一への力強い一歩としていくため、共同行事開催を力強く要求していかなくてはならない。
また、解放70周年をめぐって、韓日の動きも活発になってきている。
これまで「反日」を掲げ、歴史問題の解決にむけて積極的な姿勢を見せていたかに見えた朴槿恵政権だが、ここにきて急速に変節しつつある。過去の問題を「重い荷物」と表現し、父である朴正煕政権同様、歴史問題を棚上げにし、韓日の癒着関係を加速させようとしているのだ。監督者である米国の「指導」の影響も大いに働いたといえるだろう。過去の問題を棚上げにするということは、私たち在日同胞の存在そのものを否定するのと同様である。私たちは、自らが「民族的に生きる」社会を作っていくために、いまこそ日本に対し、過去と誠実に向き合い、朝鮮半島との真の和解を結ぶよう、要求していかなくてはならない。
文:在日韓国青年同盟
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